韓国語「-결에」徹底解説:意味と使い方、例文集

「無意識のうちに」「〜の拍子に」「〜の通りに」など、文脈によって多様な意味を持つ韓国語の表現「-결에」と、その元となる名詞「결(キョル)」。この「결」を含む表現を使いこなせると、より自然で繊細なニュアンスを韓国語で伝えることができます。
【1】「-결에」の基本的な意味と構造
韓国語の「-결에(〜キョルエ)」は、名詞「결(キョル)」に場所や時を表す助詞「-에(エ)」がついた形です。
名詞「결」の基本的な意味は「木目、繊維、筋目、きめ(肌理)、流れ」といった物理的な筋道や質感を表すものです。
ここから派生し、ある**「状態」「勢い」「流れ」の最中や影響で何か動作が起こったことを表すようになりました。
日本語では主に「〜の拍子に**」「〜の勢いで」「〜の間に」「〜の状態で」といった意味合いで訳されます。
【2】無意識の行動を表す「-결에」を含む複合語
特定の単語と結合することで、「意識せずに思わず何かをしてしまった」というニュアンスを持つ副詞的な慣用表現を形成します。
これらの表現は、意図せずに出た言動や、予期せぬ状況下での行動を表すのに非常に頻繁に使われます。
例)
・너무 놀라서 엉겁결에 “네”라고 대답해 버렸다. (あまりに驚いて、思わず「はい」と返事をしてしまった。)
・무심결에 옛 애인의 번호로 전화를 걸 뻔했다. (うっかり元恋人の番号に電話をかけそうになった。)
・잠결에 시계를 떨어뜨려서 고장 났다. (寝ぼけて時計を落として壊してしまった。)
・꿈결에 사랑하는 사람의 목소리가 들리는 듯했다. (夢心地で愛する人の声が聞こえるようだった。)
【3】物理的な「流れ」や「きめ」を表す「결」
「결」は、風や音の流れ、あるいは肌などの**表面のきめ(質感)**といった、具体的な筋道や質感を表す場合にも使われます。
この場合、「-에」がつくことで「〜の流れに乗って」「〜のきめに沿って」といった意味になります。
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바람결에:
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意味: 風に乗って、風の流れの勢いに
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例文: 멀리서 들려오는 종소리가 바람결에 실려왔다. (遠くから聞こえてくる鐘の音が風に乗って運ばれてきた。)
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피부결:
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意味: 肌のきめ(肌理)
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例文: 화장수를 피부결에 따라 부드럽게 발라주세요. (化粧水を肌のきめに沿って優しく塗ってください。)
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노래결:
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意味: 歌の調子、歌声の質感や雰囲気
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例文: 그녀의 노래결은 다른 가수들과는 다른 매력이 있다. (彼女の**歌声の調子(質感)**は他の歌手とは違う魅力がある。)
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【4】抽象的な「性質」や「雰囲気」を表す「결」
さらに「결」は、人や物事の**「性質」「雰囲気」「スタイル」「傾向」**といった抽象的な概念を表すのにも使われます。
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결이 다르다:
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意味: 性質(雰囲気、スタイル、価値観)が違う、波長が合わない
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例文: 우리는 일에 대한 가치관의 결이 달라서 자주 충돌한다. (私たちは仕事に対する価値観の性質が違うのでよく衝突する。)
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補足: 直訳は「きめ/筋目が違う」ですが、**「考え方や感覚の相違」**を指す表現として非常に広く使われています。
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